デジタルテクノロジーの進歩は⽇進⽉歩で⻭科医療においてもその波は押し寄せています。当院では以前よりフルデジタルインプラントの研究を⾏なっておりました。デジタル設備を有した技⼯所を院内に併設することで、インプラント治療の⼤半をデジタル化し、精度と効率性を向上しています。
具体的なデジタルインプラントの流れは以下のようになっています。
フルデジタルインプラントの流れ
歯科医院
①CT撮影・スキャニング
3DCTの撮影と口腔内スキャナーでお口の中をスキャンし、ガイド作製用の型を取ります。
歯科医院
②プランニング
安全で予知性の⾼い(⻑期的に使える)インプラント治療を実践するためには、事前のプランニングが重要です。インプラントの埋⼊位置やインプラントの太さ⻑さを決定するには、神経や⾎管などの解剖学的な位置だけではなく、最終的なかぶせものの形態や⽅向も含めて治療計画を⽴てる必要があります。この過程は⻭科医師と⻭科技⼯⼠がお互いの知識や経験のもとディスカッションをしながら進めていきます。
①のデータをCADソフトを使⽤し統合していきます。そのデータをもとにコンピュータ上でかぶせものの形態を設計します。かぶせものの設計まで完了するとインプラントの埋⼊位置が決定しますので、ガイドの作製に⼊ります。
歯科医院
③ガイデットサージェリー
出来上がったガイドに沿ってインプラントを埋入します。これによって安全で効率的なインプラント手術が可能です。
歯科医院
④かぶせもの用のスキャニング
かぶせもの作製のために再度お⼝の中をスキャンし、型取りをします。
従来は固まるのに5分ほどかかる粘⼟のような型取り材を使⽤していたため患者様の負担が⼤きかったのですが、フルデジタルで⾏うインプラント治療ではお⼝の中をスキャンすることで型取りができ、時間短縮だけでなく患者様の不快感の軽減に繋がります。
技工所
⑤かぶせもののデザイン
⻭科医師がスキャンした患者様のお⼝のデータを専⽤のCAD コンピューターに取り込み、⻭科技⼯⼠が最終的なかぶせもののデザインをします。デザインしたデータをCAM(ミリングマシンやプリンター)に送ります。
技⼯所
⑥かぶせものの作製
ミリングマシンという機械で⾦属やジルコニアなどのブロックから⻭科技⼯⼠がデザインしたかぶせものを削り出します。ミリングマシンで作られたばかりのかぶせものは荒削りの状態なので、そこから⻭科技⼯⼠の職⼈技で細部を仕上げていきます。また⻭の⾊調も⼀つ⼀つ⼿作業で完成させて⾏きます。
⻭科医院
⑦かぶせものの完成
出来上がったかぶせものの噛み合わせや形態を患者様のお⼝に合わせ最終チェックし、装着します。