インプラントメーカーの違い
インプラントは世界各国100を超えるメーカーがあり、日本国内だけでも30以上のメーカーが存在します。それぞれインプラントの表面性状や形態、構造や価格帯が異なります。最近では一部の安価なインプラントを使用し「格安インプラント」とうたった広告も目にします。しかしインプラントは体の中に埋め込み自分の一部として使用するものですから、私としてはできるだけ安心・安全なものを選択したいと考えております。
では数あるインプラントの中で、果たしてどのメーカーのものがいいのでしょうか?
現在使用されているインプラントの中でもっとも信頼のおけるメーカーとして以下の3社が挙げられます。
ストローマン
スイスのバーゼルを本拠地とした世界シェアNo.1インプラントメーカー
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ノーベルバイオケア
スイスのクローテンに本社を置く歴史あるインプラントメーカー。
ブローネマルクインプラントは臨床実績が最も長いインプラントシステムとして有名
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アストラテック
スウェーデンに本社を置く、高い世界シェアを誇るインプラントメーカー
![](https://i1.wp.com/ageo-implant.com/sitemanager/wp-content/uploads/2021/08/logo_astratech.png?fit=450%2C300&ssl=1)
これらのインプラントは歴史もあり成功率も高いため、世界的にも多くの歯科医師が使用しています。
インプラントはメーカーごとにシステムが異なるため、転院の際は同じインプラントメーカーを扱っている病院を探さなければなりませんが、シェア率が高いインプラントを使用していれば新たな歯科医院を見つけることが容易となり、転居先でもメンテナンスを継続することが可能になります。
なかでもストローマン社は世界的なインプラント学術団体のITIと提携し、最新のインプラント開発を行なっています。ストローマン製品の高い品質と信頼性は、長期の治療成績によって裏付けられています。
インプラント歯科、修復歯科および口腔組織再生におけるグローバルリーダーとして世界の歯科医師から信頼を得ており、現在では世界シェアNo.1ブランドになりました。
北上尾歯科ではストローマンインプラントを採用しておりますが、他社のインプラントも治療できるように主要なインプラントメーカのパーツや器具も取り揃えております。
ただしあまりにマイナーなメーカーについては対応ができませんのでご了承ください。
そのひとつの答えとなる調査結果をご紹介します。
スウェーデンの社会保険庁による大規模調査「メーカー別のインプラント生存率」というデータです。
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使われているインプラントメーカーはストローマン、ノーベルバイオケア、アストラテックの3社の使用率が圧倒的に高いです。
ただしこの調査はスウェーデンで行われた調査のため、日本や韓国、中国などアジアのインプラントメーカーは使用されていません。同じような調査を日本で行なった場合では日本国内のメーカーや韓国のメーカーが入ってくることが予想されます。
この調査で、各メーカーのインプラントがどれだけ長持ちしたか
![](https://i1.wp.com/ageo-implant.com/sitemanager/wp-content/uploads/2021/08/fig02.png?fit=2152%2C2290&ssl=1)
上記のデータを見ると、ストローマン社のインプラントは他社のインプラントに比べて生存率が高い(長持ちしている)と思われます。ただし統計学的に処理を行なった結果は以下の通りです。
①短期においてはストローマン社が他社に比べ喪失率が低い
②長期においてはストローマン、ノーベルバイオケア、アストラテックの3社に差はないが、それ以外のメーカとは大きな差がある
この調査結果からすると、やはり数あるインプラントメーカーの中でも3社を使用することが長期的な成功に結びつく可能性が高いと思われます。
参考文献:Effectiveness of implant therapy analyzed in a Swedish population: early and late implant loss.