ガイドとは

ガイドとは、撮影した3DCTをシミュレーションソフトで解析し、顎の中にある重要な神経や血管を避けた安全な位置、角度にインプラントを埋入できるように設計された手術用テンプレートです。
このガイド(テンプレート)を用いて行う手術をガイデットサージェリーと言います。
ガイドはコンピュータにより精密に設計されており、誤差1mm以下で非常に精度が高いです。ガイドを使用しインプラントを正確な位置に埋入することで、埋入角度不良によるインプラントの早期喪失や、下歯槽神経の損傷、上顎洞への穿孔などの重篤な事故を防ぐことが可能となりました。
ガイデットサージェリーのメリット
インプラントを正確な位置に埋入できる
フリーハンドでの埋入では狙った位置、角度から多少のズレが生じることは珍しくありません。ガイデットサージェリーではガイドに沿ってドリルを進めるだけで正確な位置に埋入することができます。

わかりやすく言うとフリーハンドのインプラント手術は車の運転のようなものです。慣れたドライバーが運転すれば車でも道路をはみ出すことはありませんが、初心者や予期せぬアクシデントが起きると経験者でも事故を起こすことがあります。
一方ガイデットサージェリーは電車の運転に例えられます。電車がレールの上を走ることと同じようにガイデットサージェリーは決められたチューブの中を沿ってドリルしていくため、安全な手術が可能です。
手術時間が短く、患者様の負担が少ない
精巧に作られたガイドに沿ってインプラントを埋入するだけなので、通常のインプラント手術に比べ手術時間を短縮することが可能です。手術時間が短く済むことで、長時間お口を開けていていただく身体的な負担や、治療に対する恐怖心や不安感などの精神的な負担を軽減することができます。
ガイデットサージェリーのデメリット
ガイド作製の費用がかかる
ガイドを作製するには材料費以外にガイドを作製するための技工費用やインプラントの位置を決めるために使用するソフトのライセンスフィーなどがかかります。
当院では埋入本数が2本まで55,000円、以降1本追加ごとに11,000円の作製費がかかります。
ガイデットサージェリーの流れ
CT検査

顎の骨の状態や、神経、血管の位置を三次元的に確認します。
診断、治療計画の立案
骨の厚みや神経、血管までの距離を測った上で、埋入するインプラントの種類や位置、角度を検討します
北上尾歯科では複数の歯科医師と専任の技工士とともに最終的なかぶせものの位置や形態を予想した上で手術計画を立てています。
サージカルガイドの作成
撮影したCTを元にコンピュータ上で設計し、3Dプリンターで作製します。
サージカルガイドを使用してインプラントを埋入
ガイドに沿ってドリリングし、インプラントを埋入します。
ガイドサージェリーはどの程度正確なの?
その一つの答えとなる研究結果をご紹介します。
世界的なインプラント学術団体のITIコンセンサス会議でガイデットサージェリーの有効性について以下の発表がされました。この研究はガイデットサージェリーとフリーハンド(ガイドを使用しない)手術において、どのくらいの誤差が出るかを調査しています。
研究結果は表の通りです。
| 起始点の誤差 | 先端部の誤差 | 角度誤差 | |
| 平均 | 1.12mm | 1.39mm | 3.9 |
ガイデットサージェリーとフリーハンドでの手術では有意差を持って、ガイデットサージェリーは誤差が少ないという研究結果となっています。
ここからは私見になりますが、ガイデットサージェリーは非常に精度が高いものですが、全ての症例においてガイデットサージェリーを併用する必要はないと考えます。
通常のインプラント手術においては、ある程度経験のある術者であればガイドと変わらないレベルのインプラント手術が可能です。ただし解剖学的にリスクの高い症例や同時に多数のインプラントを入れる症例などはインプラントの埋入位置や角度が重要になるため私もガイドを使用しています。
参考文献:Computer Technology Applications in Surgical Implant Dentistry : A Systematic Review.
ガイデッドサージェリーについてよくある質問
Q. ガイデッドサージェリーとは何ですか?
撮影した3D-CTをシミュレーションソフトで解析し、神経や血管を避けた安全な位置・角度にインプラントを埋入できるよう設計された手術用テンプレート(ガイド)を用いる手術です。ガイドは誤差1mm以下の精度で作られ、3Dプリンターで作製します。
Q. ガイデッドサージェリーの費用はいくらですか?
埋入本数が2本まで55,000円、以降1本追加ごとに11,000円の作製費がかかります(税込)。
Q. ガイドを使うと何が良いのですか?
フリーハンドでは狙った位置・角度から多少のズレが生じることがありますが、ガイドに沿ってドリルを進めるだけで正確な位置に埋入でき、神経損傷や上顎洞への穿孔などの事故を防げます。手術時間も短くなり、身体的・精神的負担が軽減されます。
Q. ガイデッドサージェリーはどのくらい正確ですか?
ITIコンセンサス会議で発表された研究では、ガイド使用時の誤差は起始点で平均1.12mm、先端部で1.39mm、角度で3.9度で、フリーハンドに比べ有意に誤差が少ないという結果でした。
Q. すべての手術でガイドが必要ですか?
いいえ。通常のインプラント手術では経験のある術者であればガイドと変わらないレベルの手術が可能です。解剖学的にリスクの高い症例や、同時に多数のインプラントを入れる症例ではガイドを使用しています。







